
【実録】リモートワーク導入時に人事としてやるべきこと6つ
COVID-19により一気に拡大したリモートワーク。
もはや「コロナが落ち着くまでの一時的な対処療法」ではなく、長期的なリモートワークへの移行が必要な時代になりました。
「長期的な視点でリモートワークを導入しないとな…」と思いつつ、そのために何をしなきゃいけないのかわからない、という人事や経営者の方は必見!
今回は、実際にリモートワークに移行したベンチャー会社の人事が考える、やるべき6つのことを実体験に基づいて紹介します。
ちなみに私たちの会社の規模は約50名。同じような規模の会社の方には特に参考になるのではないでしょうか。
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リモートワークの導入状況
リモートワークという働き方がかなり身近にはなってきましたが、一体どれだけの企業がリモートワークを導入しているのでしょうか。
東京都の調査結果によると、
・都内企業のテレワーク導入率は57.1%。
・従業員規模が300人以上の企業は導入率76.5%、100〜299人の企業は63.6%、30〜99人の企業は47%。
約半分の企業がリモートワークを導入していて、企業規模が大きくなるにつれて導入率も高くなるとわかります。
(引用元:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/01/22/17.html)
リモートワーク導入で、よくある問題は?
リモートワーク導入時にやるべきことを紹介する前に、リモートワークにすると社内にどんな問題が生まれるのかを説明しておきます。
それは、一言で言えば「見えないこと」です。
本当に仕事をしているのかが見えない、稼働している時間がわからない。
誰が何をどれだけ進めているのか、お互いの進捗が見えない。
一人一人の体調や気持ちの変化が見えない。
オフィスに出社して一緒の空間にいるだけで、互いの顔が見えて様子が分かりますし、業務内容に関しても、「今進捗どんな感じ?」と一言声をかければ済む話。
そんな簡単なコミュニケーションができなくなり、様々なものが見えなくなるのがリモートワークの問題点です。
本来、リモートワークとはいえ、一人一人が自分の業務に責任を持ってコミットしていれば、見えなくてもさほど問題はないはず。だけど見えないとホントに大丈夫かな?って不安になったり、見られてないと力を抜いちゃうなんて人もいるわけで。人間ってやつの性ですね。
リモートワーク導入時に人事がやるべきこと6つ
では、リモートワークを導入する上で、人事がやるべき6つのことを紹介します。
机上の空論よりリアルな情報を欲してるであろう皆さんに向けて、リモートワーク移行を経験したHRベンチャー人事の私が、実際に必要だと思った施策を説明していきます!
①リモート環境への援助
一つ目のやるべきことは、快適なリモート環境で働くための援助です。
一口に環境と言っても、大きく分けて物理的な面と精神的な面があります。
物理的な面でいうと、安定した通信インフラや作業スペース(机、椅子)など。
弊社ではやっていませんが、今までよりも自宅でネットを使う場面が増えるため、その分のネットや電気代といった金銭的な援助を行う企業もちらほら出てきているようです。
精神的な面でいうと、家事や育児への配慮です。
リモートワークの生産性には、この精神的な要因が大きく関わっており、中でも特に育児の影響が大きいとわかっています。子どもが家にいると、60〜75%の人が「集中できない」と回答したデータもあります。
そのためリモートワークの導入と同時に、「出社しても良い」仕組みを整えるのも必要です。
弊社の場合は、出社したい日は事前に申請フォームで出社依頼をし、承認を得たら出社OKという体制をとっています。出社申請を出せば、その分の交通費も出るという仕組みです。
②社内ルールの見える化
二つ目は、社内ルールの見える化です。
今まで出社して同じ空間にいたから、なんとな〜くなんとかなってきた会議や手続き、ありませんか?私たちの場合はありました。(苦笑)
そしていざオンラインでやってみると、WEBの会議で顔を見せずに音声だけの人がいて会議が活性化しなかったり、下手したら発言してない人に気づけなかったり。
そんなわけで、私たちは会議・1on1のルールをまずは見直し、新たに明文化しました。
会社によって明文化すべきルールは違うと思いますが、「今までなんとなくふわっとしてた暗黙の了解」を無くしてルールとして落とし込み、すぐに誰でもルールを見れるようにしておくのが重要です。
③オンライン採用の体制を整える
三つ目は、採用に関してです。リモートワーク導入に伴い、求職者が会社に訪れる会社訪問や会社説明会がやりにくくなりますよね。また、社内の選考担当者同士のコミュニケーションも取りづらくなります。
まず必要なのは求職者向けの採用広報の強化。
具体的には、オフラインの会社説明会ではなく、採用ピッチ資料という会社説明の資料を公開したり、リアルな雰囲気を知ってもらうための会社説明会動画を配信したり、日々の社内のエピソードやメンバー紹介などのコラムをアップしたりしています。
これら採用広報は、リモートワークにかかわらず強化すべきポイントでもありますが、これを機に見直してみると良いでしょう。
【インビジョンの採用広報・実例】
- 会社ホームページのニュース・トピックス:https://www.invision-inc.jp/news/
- インビジョンメンバー紹介:https://www.invision-inc.jp/our-dashi/
- インビジョンwantedly:https://www.wantedly.com/companies/invision-inc/projects
- 新卒のコッシーがやっている、コッシ―のグラレコ:https://www.invision-inc.jp/dashikatsu/kosshi-graphic-recording/
- ちなみに…インビジョンライターが手掛けた他社様の採用広報事例集:https://saiyohack.com/case_studies
- その他:メンバー各自のTwitter、note、Facebookにて各自で活動中(笑)
次に社内の選考担当者同士のコミュニケーションに関してですが、私たちはスプレッドシートを活用し、面談シートをグレードアップしました。
今までは口頭で求職者の情報を共有していた面も多くありましたが、面談シートに求職者の全ての情報を集約し、そこを見ればいつでも情報がわかるという体制にしています。
④コミュニケーションルートの見える化
四つ目は、コミュニケーションルートの見える化。
中でもコミュニケーションツールの整理と業務プロセスの見える化を行いました。
コミュニケーションツールに関しては、ここだけの話、今まで本当にはちゃめちゃでした(笑)。チャットグループが膨大にあり、「どこで何を話せばいいの?」状態だったし、そんな状態だから、然るべき人がいないチャットでやりとりをしちゃって、後から「え、それ知らないんだけど…」なんてシーンも。
リモートワークになると特に、情報共有がうまくできないという課題はかなり大打撃です。
そこで、本当に必要なチャットグループと適切なメンバーを整理。しかるべき場所でしかるべきコミュニケーションが取れるようにしました。
これとは別に、業務を進めていく中で、いつ誰とどうコミュニケーションを取ればいいのか?を明文化するのが業務プロセスの見える化です。
ちょっと大変ではありますが、リモートワークにより実際に業務をやりながら横で教える方法がやりづらい分、これを明文化しておくと各々の業務がスムーズに進み安心です。
⑤社員の声を聞く仕組み作り
人事がやるべきこと五つ目は、社員の声を聞く仕組み作りです。
リモートになるとどうしても、一人一人の体調や心の調子が見えなくなり、フォローが難しくなります。
そこでオススメなのが、メンター制度とアンケート。
弊社では抱えている悩みやキャリアアップを話すメンタルケアの時間を定例で30分ほど設けたり、月に一度全社にアンケート回答を依頼し、一人一人の声を拾ったりしています。
リモートになるとコミュニケーションの総量が必然的に減ってしまうため、悩みやストレスの発散ができなくなってしまいがち。
精神衛生的にも良くないですし、生産性や会社の士気にも関係するため、声を拾ってフォローする仕組みは必須と言えるでしょう。
⑥オンラインコミュニケーションを円滑にするための研修実施
六つ目は、育成の面です。リモートワークのコミュニケーションの基本は、チャットやWEB通話が基本。オンラインコミュニケーションを円滑にするための研修を実施する必要があります。
特に研修で育成していきたい内容は下記です。
- WEB会議ツール(Zoomやwherebyなど)の使い方
- 印象管理スキル
- ファシリテーションスキル
- ドキュメントコミュニケーションスキル
ツールの使い方は言わずもがな必須ですよね。
印象管理スキルとは、WEB通話時の表情や姿勢から与える印象を理解し、コントロールするスキルです。意外とこの辺がおざなりになって、相手に良くない印象を与えてしまっている場合があります。(しかも無意識なのが怖いところ。)これはツールの使い方と同時に指導すべき内容です。
ファシリテーションスキルは、会議や商談の場で活きます。オンラインでは、「場の空気でなんとなく」が難しく、ファシリテーションスキルが高い人は非常に重宝されるでしょう。市場価値が高い人材を育てるために、必要な研修です。
ドキュメントコミュニケーションスキルとは、文章で円滑なコミュニケーションを築くスキルです。リモートワークになると必然的に文章のコミュニケーションが増えるため、このスキルが必要です。相手目線を何も意識しない文章では本意が伝わりきれません。ついつい抜けがちな意義や目的、依頼の詳細を文章で伝える力を指導する必要があります。
仕組みを整えてリモートワークを導入し、より良い組織にしよう
いかがだったでしょうか。
リモートワークの導入は、今後新しい時代を企業が生きていく上で欠かせない要素です。
今回の記事を参考にして、是非スムーズなリモートワーク導入を行い、組織を活性化させてくださいね。
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